ワンクリック詐欺の被害状況と実例から手口や実態を学ぶ

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最近はスマートフォンやタブレット端末の普及もあって、子供から高齢者、年齢や性別を問わずネットを利用するようになりました。

幅広い世代の人が便利に活用する反面、ワンクリック詐欺の被害は減らず、Yahoo知恵袋や教えてGooなどのQ&Aサイトで、高額請求の画面を消す方法を探す人が頻繁に現れています。

実際にニュースを見ても被害総額と人数が多い事件があったり、国民生活センターの相談件数も右肩上がりで増えています。

そんな振り込め詐欺のネット版といえるワンクリック詐欺の被害状況と実例から手口や実態を知っておきたい知識としてまとめました。

ワンクリック詐欺の被害状況

近年ニュースになった事件として、2014年9月にスマートフォン向けのアダルトサイト利用名目で架空請求し現金を騙し取ったとして、アダルトサイト運営会社社長ら男4人が詐欺容疑で逮捕されました。

2013年3月以降、全国約2,000人から計約1億8,400万円を騙し取ったという事件で被害総額と人数が大きいものでした。

これは典型的なワンクリック詐欺の事件でスマートフォンのサイトでアダルト動画を見るために年齢確認や画像をクリックすると「有料会員登録が完了しました」と画面に表示させ、「解約窓口」などの連絡先に電話やメールをすると、高額な料金を不当に請求される手口です。

被害額と人数をみれば、慌てて連絡したことで電話番号やメールアドレスを業者に知られてしまい、利用料金を請求され強制執行や法的手段を取ると脅されて、支払ってしまう人が多いことが分かります。

この事件は新たに広告代理店の社長ら男女3人も2015年2月に逮捕されていて、詐欺目的のアダルトサイト運営会社+誘導の広告を扱う広告代理店の組み合わせだったようです。

年間10万件突破したトラブル相談件数

アダルトサイトの相談が年間で10万件を突破!国民生活センター

アダルトサイトの相談が年間で10万件を突破!国民生活センター

国民生活センターが2015年4月に昨年のアダルトサイトに関する相談件数がついに過去最多の10万件を突破したと発表しました。

商品やサービス別でアダルトの相談が1番多く、スマートフォン利用時にトラブルとなったケースが相談件数の半分を占めています。

しかも詐欺業者に強く請求されてお金を支払ってしまった人も増加して、1件当たりの平均支払い金額も約27万円と高額化しています。

ワンクリック詐欺(架空請求)の手口

基本的なワンクリック詐欺の手口は、有料会員に登録された画面を表示させ契約が成立したと思わせて、利用者を心理的に追い込んで高額な料金を請求して支払わせるものです。

画面の指示に従って、クリックさせた回数に応じて、何々クリック詐欺と呼ばれることもありますが、2クリックでも4クリックでも総称としてワンクリック詐欺またはワンクリック請求という言葉が使われます。

パソコンの場合は、悪意あるマルウェアにシステムを感染させて、簡単に請求画面を消せないように表示し続けたり、一定時間ごとに表示させて不安を煽ります。

スマートフォンの場合は、基本的にブラウザーのタブと履歴をすべて消去したり、詐欺アプリをアンインストールすると請求画面が消せます。

しかし、幅広い年齢層への普及率の高さから情報収集能力が低い利用者を狙って罠にかけます。

例えば、請求画面が表示されると同時にスマートフォンからシャッター音が鳴り、写真を撮られたように見せかけて不安を煽り慌てさせる場合もあります。

詐欺サイトの請求画面に「誤操作の方は24時間以内に連絡するように」との表記やボタンが設置してあって、自発的にボタンを押させて詐欺業者に電話やメールで連絡するよう仕向けられています。

その時に利用者が非通知設定にしていても、強制的に発信者の電話番号を表示させ取得するため、先頭に186が追加されるようになっています。

だから詐欺業者に連絡先が知られてしまうと、そこから架空の人物が登場して、法外な利用料金を催促されたり請求されるようになります。

スマートフォンを中心に被害が急増!「ワンクリック詐欺」の被害を防ぐために

詐欺サイトの例1・スマホサイト

※無料のアダルト動画サイト→詐欺サイト→年齢確認→請求画面

詐欺サイトの例1・スマホサイト

例1の場合は、無料のアダルト動画をまとめているサイトに掲載されている画像リンクをタップすると、詐欺サイトへ移動します。

詐欺サイトは、様々な動画があるように見せかけてあるだけで、画像が異なるだけでリンク先は全て同じでした。

どれか1つでも画像をタップすると、アダルトコンテンツの利用確認が表示されます。

この時点で年齢確認の場所にある誤動作・不確認防止対策済みと書かれたベリサインセキュアシールもどきの画像は偽物なのでサイト自体に信頼性はありません。

ここで年齢確認を促されて進むと、有料会員の登録完了のメッセージとともに高額な料金が請求される画面が表示されます。

登録完了の画面以降は、誤って登録した利用者が問い合わせするように作られていますが連絡を取ってはいけません。

サイトの見える場所に高額な料金が発生することを記載し、法律に不備が無いように装っているので、連絡先が知られてしまうと堂々と請求してくるからです。

詐欺サイトの例2・スマホサイト

※無料のアダルト動画サイト→詐欺サイト→年齢確認→請求画面

詐欺サイトの例2・スマホサイト

例2の場合は、同じ無料のアダルト動画サイトで、別の画像リンクからの別の詐欺サイトへ移動したものになっています。

この詐欺サイトはアダルトコンテンツの利用確認から始まりタップすると、すぐに最終確認を促されます。

こちらはプライバシーマークとベリサインセキュアシールに似た画像が2つありますが偽物で信頼性はありません。

年齢認証から進むと直ぐに有料会員の登録完了のメッセージとともに高額な料金が請求される画面が表示されます。

登録完了の画面は、誤登録した利用者が退会申請や連絡窓口などのボタンを、無意識的に押すように目立つ色で作られています。

これはネット閲覧中に画面が切り替わった瞬間に、目に入った画像やリンクを、とっさに押してしまう人間の習性を利用しています。

慌てて注意力が散漫になっている利用者がボタンを押して、詐欺業者に送信するようなサイト構成になっています。

詐欺サイトの例3・PCサイト

※無料のアダルト動画サイト→詐欺サイト→年齢確認→請求画面

詐欺サイトの例3・PCサイト

例3は、例1~2と同じ無料のアダルト動画サイトをPC表示させたもので、相互サイト間にアクセスを送り合うサムネイル画像などのリンクから詐欺サイトへ移動します。

詐欺サイトは、動画プレイヤーが設置されているように見えるだけの画像に利用確認を促すメッセージが書かれています。

クリックすると年齢確認とコンテツ利用の同意を促す画面に変わります。

はいにチェックを入れて動画再生をクリックして進むと偽装したファイルを実行するように促されて、勝手にサンプル動画が再生されます。

続きまたは他の動画を視聴するという選択肢が表示されますが、どちらをクリックしても登録が完了して高額な料金が請求される画面が表示されます。

慌てた利用者が連絡するように仕向けて、目立つ場所にお問い合わせや退会申請のページに誘導するボタンが設置されているので注意が必要です。

詐欺サイトへの誘導経路

詐欺サイトへの誘導経路は、検索サイトにキーワードを入力して表示されたサイトを閲覧しているうちに感染してしまうパターンが多いと思います。

誘導例・芸能人名+欲望語句で検索

※検索結果→無料のアダルト動画サイト→詐欺サイト→年齢確認→請求画面

検索結果から詐欺サイトへの誘導例・スマホ

試しにNTTドコモのスマートフォン向けポータルサイト「dメニュー」の検索窓から女性芸能人名+流出画像という欲望に直結するキーワードで検索すると、ゴシップ系のまとめサイトの中にワンクリ詐欺サイトへ誘導するサイトが複数表示されました。

これはGoogleの検索エンジンを使って表示するauスマートパスの検索窓からの結果も同様で、Yahoo!のホームページにある検索もGoogleと同じ技術を使っているのでほとんど同じです。

検索窓にセットになっている急上昇ワードに有名人の話題が表示されることも多く、関連キーワードの組み合わせによっては、簡単に危険なサイトに遭遇してしまうわけです。

さらに無料のアダルト動画をまとめてるサイトの多くは、アクセスを集めるために訪問者を別のサイト間で回すように構成しています。

優良なサイトは、ワンクリ詐欺の広告リンクが含まれてるサイトとお付き合いすることは無く、相互にアクセスを流すことはしません。

しかし、詐欺業者から高額な報酬を提示されて、誘導用の広告を設置してしまう運営者も存在するので、サイト内の画像やテキストリンクの中に詐欺サイトへリンクが含まれている場合があります。

また詐欺業者自体が誘導用の無料アダルト動画サイトを運営して、健全なサイトと見せかけているので、見抜けなかった一般のアダルトサイトと結びついて訪問者のアクセスを相互に流し合っていることもあります。

その他にもアンテナサイトと呼ばれるアダルトサイトの更新情報をまとめているサイトがあって、登録している一部のサイトに詐欺サイトへのリンクが含まれてる可能性もあります。

誘導サイト例1・PCサイト

※誘導広告が多数ある無料のアダルト動画サイト×6個

誘導サイト例1・PCサイト

基本的に詐欺サイトへの誘導広告が1つでもあれば、サイト内のリンクから辿って行くと、同じような構成のサイトが見つかり相互に繋がっていたりします。

上記の場合は例で6サイト見せてるだけで、実際は誘導広告が設置してある無料のアダルト動画まとめサイトが16個くらい相互に繋がってアクセスを流していました。

詐欺サイトの誘導は、公式サイトの画像広告に似せたり、各サイトのサムネイル画像や動画のダウンロードを促すテキスト、相互リンクサイトのRSS更新情報のテキスト、ランキングに反映されたテキストリンク等になります。

また、サイト自体の見た目も良いことから相互リンクに誘われた一般のアダルトサイトも混じっていて、健全なサイトを装うことに一役買っている状態でした。

誘導サイト例2・スマホサイト

※無料のアダルト動画まとめサイト・スマホでの誘導広告数

誘導サイト例2・スマホサイト

誘導サイト例2は、無料のアダルト動画まとめサイトをスマホで見た場合に、どれくらい詐欺サイトへの誘導広告が設置してあるか調べたものです。

赤丸が詐欺サイトへの誘導広告です。

トップと個別記事ページに多数設置され、相互リンクしているサイトへアクセスを流す画像リンクを合わせれば、自前のコンテンツが全く無いことが分かります。

一見しただけでは、詐欺サイトへの誘導広告、相互リンク先の画像リンクと区別がつかないように紛れています。

無料のアダルト動画をまとめているサイトから好みの動画を試聴するのにリンクを進むことが、どれだけ危険か分かると思います。

まとめ

ネットで人気の有名人や流行の話題は、瞬間的なアクセスが見込めるため、検索の上位にはニュースサイトの他にゴシップ系の記事をまとめたサイトも多数表示されます。

そんな強い風の吹く場所に風車を設置するみたいに大きなアクセスが見込める場所には、詐欺サイトや誘導するサイトも紛れるようにして一緒に並び、興味をそそられる刺激的な記事タイトルで誘い込みます。

一旦サイト内に入ってしまうと、蜘蛛の巣のように張り巡らせたリンク構造が待っていて詐欺サイトに移動させられます。

そして罠に掛かった情報収集能力が低い利用者を狙って、心理的に不安や焦燥感を与えることでメールや電話をさせ、連絡先に様々な理由で高額な支払いを要求するのがワンクリック詐欺(架空請求)です。

簡単にいえば、ネット版の振り込め詐欺みたいなもので、最近はパソコンよりもスマートフォンでの被害が増えて手口やサイト構成が巧妙化しています。

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